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インドを旅する55章

 明石書店から2021年6月に刊行された「インドを旅する55章」は、同社が「エリアスタディーズ」としてシリーズ化している「~を知るための○○章」の新ラインである。今後、世界各国を「旅する○○章」が続刊されるのであろうか。その栄えある第1号の旅先にインドが選ばれたことは、長年インドに関わって来た身としてこの上ない喜びである。しかも、この本の中の1記事「デリー」について寄稿させていただく機会をいただけた。編者の宮本久義先生、そしてインド留学時代の戦友、小西公大君に感謝の気持ちを述べたい。

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2021年6月6日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : arukakat

デリーで女性の飲酒運転が0のカラクリ

[dropcap]3[/dropcap]月13日付けのタイムズ・オブ・インディア紙に下のような記事が出ていた。

  • Drunk driving: No woman fined in city in 2017, one this year
  • Only 2% of drivers involved in crashes are women

 これは、3月12日未明に女性運転手による飲酒運転の死亡事故があり、その関連記事として取り沙汰されていた事実である。

 記事によると、2017年に警察が把握した女性運転手による飲酒運転は1件もなく、2018年ではこれが女性による最初の飲酒運転事故であった。果たしてインドの女性は飲酒運転をしないのか、それとも、別の原因があるのか。そもそも、インドにおいて女性が交通事故を起こす件数や割合はどうなのだろうか。

 3月16日付けのデリー・タイムス紙(タイムズ・オブ・インディア紙の折込紙)にも、その件に関して少しだけ詳しい記事が掲載されていた。これらを併せて考察してみたい。

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2018年3月22日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : arukakat

「Thulla」騒動

[dropcap]デ[/dropcap]リー州首相で庶民党(AAP)党首のアルヴィンド・ケージュリーワールは話題に事欠かない人物であり、彼の一挙手一投足を追って行くのは疲れるが、今回はヒンディー語に関することだったので、取り上げてみようと思う。

 事の発端はちょうど1年前の2015年7月17日。ケージュリーワール州首相はTV局のインタビューに答えた。話題はデリーの警察について。

 デリーはインド共和国の首都であることもあって、連邦直轄地(UT)、つまり中央政府の管轄に置かれていると同時に、中央政府とは政治的に独立し、独自の州首相や州議会を持つ州でもあるという、行政上、中途半端な立ち位置にある。デリー州政府の管轄下に置かれていない権限の代表として、土地、公安、警察がある。ケージュリーワール州首相は一貫してデリーの完全州化を求めており、警察権を中央から州に移管する必要性を繰り返し説いている。中央で与党のインド人民党(BJP)も以前は同様の主張をしていたのだが、デリー州議会選挙で旗色が悪くなると、公約からそれを引っ込めた経緯がある。中央で政権を握るBJPは、デリー州議会でほとんど議席を持たないにもかかわらず、デリーの警察権を握っている。これはデリーで政策を進めようとするAAPにとって都合が悪い。実際、AAP政権発足直後から、AAPの政治家や議員が警察に逮捕される事案が多数発生している。

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CBFC vs 映画界

[dropcap]昨[/dropcap]年、「インド映画完全ガイド」(世界文化社)という本が出版され、その中の文章をいくつか書かせていただいた。僕が担当したトピックのひとつにインドの検閲制度があった(P156-7 インド映画の映画法とCBFCによる検閲)。最近、ヒンディー語映画界でインドの「検閲」について大きなゴタゴタがあり、自分がこの本で書いたこととも関連して来るため、ここでまとめておこうと思う。

 問題の発端となったのは「Udta Punjab」という映画である。「飛ぶパンジャーブ」を意味する題名のこの映画は、「Ishqiya」(2010年)などのアビシェーク・チャウベー監督の最新作で、プロデューサー陣にはアヌラーグ・カシヤプやエークター・カプールといった業界内の有力者が名を連ねている。主演はシャーヒド・カプール、カリーナー・カプール、アーリヤー・バットなど、A級の俳優たちである。映画のテーマはパンジャーブ州のドラッグ問題。現在、パンジャーブ州では若者たちの多くがドラッグ中毒になっていると報告されており、その問題を取り上げた作品とされていた。「Udta Punjab」は2016年6月16日に公開予定だった。

Udta Punjab

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2016年6月21日 | カテゴリー : ブログ | 投稿者 : arukakat
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